2013/02/23

民主党の置き土産

自民党・木原稔議員(衆・熊本)は、2013年2月23日付「民主党の置き土産、外国人への社会福祉問題」と題するビデオレターにおいて、外国人を対象とした社会福祉制度の歪みについて問題提起した。[1]

日本人と同様に、外国人も一定の条件の下に、子供手当て(児童手当)、シングルマザー・寡婦手当(児童扶養手当)、国民健康保険、介護保険の適用になるが、昨年(2012年)7月に外国人登録制度が廃止され、新しい在留管理制度になったことに伴い、比較的発給条件がゆるい短期ビザで入国した外国人が、国民健康保険、児童手当などを不正に受給できる可能性が高くなったことを指摘している。


1.現場の声

具体的に、福岡県行橋市議会議員の小坪慎也氏が以下の説明をしている。

・従来から、国民健康保険、介護保険、子供手当てなどについて外国人も受給資格があったが、それは1年以上日本に滞在する外国人が対象であった。(1年以上のビザを取得するには厳しい審査がある。)
・小宮山 大臣は、それを3ヶ月に変更し、敷居を低くした。(3ヶ月以上のビザは比較的簡単に取得できる。)
・再入国の手続きをしていれば、外国人に国民保険を5年間出しっぱなしにしなさいという通知もしている。たとえば半年のビザを持った外国人が行橋市を訪れて、2泊3日程度滞在し、国民健康保険にとりあえず加入する。そして本国に戻る。本国に戻った後も、いつか再入国するという手続きを続けていれば、たとえば中国人が中国で支払った治療費の一部を、また、児童手当などをもらうことができる。

http://youtu.be/DScjGw87gws をクリック



2.法改正について

(1) 外国人登録制度の廃止

2009年7月、第171回国会において、「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案」が可決された。(同法の施行は2012年7月9日)[2]

外国人登録制度が廃止され、新しい在留管理制度になった。住民基本台帳法も改正され、外国人住民についてもその適用対象に加えられることとなった。


(2) 国民健康保険の適用

2012年1月20日、厚生労働省保険局長は「国民健康保険法施行規則及び高齢者の医療の確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令等の施行について」という文書を都道府県知事宛に通知した。[4]

外国人登録制度が廃止される前は、1年以上の在留期間を決定された外国人を国民健康保険の被保険者としていたが、廃止後は、3ヶ月を超えて在留する外国人で住所を有する者が、日本人と同様に住民基本台帳法の適用対象となった。

厚生労働省保険局長が都道府県知事宛に出した通知書には、「内外人平等の原則の下、日本人と同様に、外国人住民を国民健康保険及び後期高齢者医療制度の被保険者とするための改正を行ったものである。」と書かれている。 [4]

3.コメント

「内外人平等の原則」という考えは、表面的には美しい考えだ。しかし、中国などから大勢の人が押し寄せてくるのは、火を見るよりも明らかである。また、日本人が相手国で同じような待遇を受けているのであればよいが、そうではない。政治家は理想ではなく現実を見て、政策を考えるべきである。


参考資料

[1] http://kiharaminoru.jp/modules/channel0/2013/02/22/94/
[2] http://www.moj.go.jp/houan1/houan_houan41.html
[3] http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_1/index.html
[4] http://www.kokuho.or.jp/whlw/lib/ho_24_0120002.pdf


関連通知

(1)子供手当て(児童手当て)
「児童手当法における外国人に係る事務の取扱いについて」(平成24年6月13日付、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/jidouteate/dl/tuuchi_04.pdf
(2)シングルマザー・寡婦手当て(児童扶養手当て)
「児童扶養手当における外国人に係る事務の取扱いについて」(平成24年6月21日付、厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T120920N0010.pdf
(3)介護保険
「介護保険制度の被保険者となる外国人住民の取扱に関するQ&Aについて」(平成24年6月1日、厚生労働省老健局介護保険計画課)
http://www.roken.or.jp/member/mhlw/H240601_Vol.289.pdf
「介護保険制度の被保険者となる外国人住民の取扱に関するQ&Aについて(その2)」
(平成24年7月18日、厚生労働省老健局介護保険計画課)
http://www.roken.or.jp/member/mhlw/H240718_Vol.294.pdf


関連ニュース記事

外国人の国民健康保険詐欺続々 (2013/2/15、ゲンダイネット)
バングラ人2人逮捕 海外療養費を自治体から詐取容疑 (2013/2/15、東京新聞)


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追記(2013/2/25)

中国人に詐取される日本の国民健康保険…モラルなんてメじゃない“やりたい放題”(2013/2/24、産経)

片山さつき議員ブログ
2012年05月14日 http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/7076236.html
2012年05月22日 http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/7104166.html




3 件のコメント:

  1. この事件は見せしめだろう。政府は、近隣国ではなく、バンクラデシュの人を選んだと考えられる。

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    ローラの父に逮捕状 海外での医療費87万円詐取の疑い(2013/6/25)

    海外で支払った医療費が還付される国民健康保険の制度を悪用して知人の男に不正受給させたとして、警視庁は2013年6月25日、タレントのローラさんの父親でバングラデシュ国籍のジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者(53)について詐欺容疑で逮捕状を取り、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配したと発表した。同容疑者は現在バングラデシュにいると見られる。
    2008年12月、知人の男にバングラデシュの病院で診察を受けたと虚偽の申請書を東京都世田谷区役所に提出させて海外療養費約87万円をだまし取った疑い。
    http://www.j-cast.com/2013/06/25177969.html

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  2. 片山さつき議員ブログ 2013/6/26

    http://satsuki-katayama.livedoor.biz/archives/7939411.html

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  3. 小坂英二氏(東京・荒川区議)も同様の証言をしています。

    http://youtu.be/q-0PIRhUxAU 

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